こっそりメディア論

メディア、広告業界について、「ビジネス」「キャリア」「アカデミック」の3つの視点から考えます

「ライター」と「編集者」の違いってイマイチよく分からないという人へ。

編集者とライターの棲み分けって曖昧

編集者とライター、どちらも紙、webに限らずコンテンツを作成する上で重要な役割を担っています。でも、周りから見ていると(特に業界未経験の方)、じゃあ具体的には何が違うの?って言われた時、そんなにパット答えられる人はいないんじゃないかと思うんです。僕も、今の会社にはライターとして入社したんですが、蓋を開けてみるとライティング業務だけでなく、編集業務的なこともやるし、結構その辺て紙かwebだけでなく、企業毎に認識が違っていたりするんですよね。

 

編集者は企画立案やアイディアを考える人

編集者というと、一般的には雑誌や書籍あるいはwebコンテンツを企画し、予算取り、進行管理、納品までを行うポジションです。つまり、実際に作る側ではなくて、企画を練る立場にいるのが編集者です。実際に製作を行うライターやデザイナー、カメラマンといった方々のディレクションを行うポジションといえます。 

ライターは企画を形にする人

一方ライターはというと、編集者が考えた企画を形にしていく立場です。具体的には取材やライティング、といった業務が挙げられます。ただ、ブロガーやフリーランスのライターの方などは、編集者と同じように企画も行うケースも多いようです。あとは、それだけじゃなくてベンチャーや中小企業なんかだと多いですね。僕の父は、小さな出版者で編集長として働いていたんですが、退職する直前まで自分で取材にもいくしライティングもしていました。ただ、もちろん大手企業なんかだと、そこの棲み分けがしっかりしていることが多いのではないでしょうか。 

編集者とライターでは関わる業務工程が異なる

編集者とライターの違いは、関わる業務工程が異なるということです。前述したように、編集者は企画立案から予算取りといった上流工程がメインの仕事。一方、ライターはその企画を、編集者の指示の元実際に形にする仕事です。

編集者、ライターそれぞれの適性は?

では、編集者とライターそれぞれどんな人が向いているのでしょうか。News Picsの編集長を務める佐々木氏はあるイベントでこんな話をしていたそうです。

 「編集者に向いている人というのは、良いところを見つけるのが得意な人、ライターに向いている人は、悪いところや胡散臭いといころを見つけるのが得意な人」

編集者に向いている人と、ライターに向いている人の違いは? | Fashionsnap.com

編集者は企画力やアイディア力が大事であると同時に、ライターが執筆した記事を俯瞰してより良いものにしていく力が求められます。そう考えると、この佐々木氏の言うことも頷けますね。

ライターは逆に編集者の企画やアイディアに穴がないかどうか、読者が求めているものなのかを判断する力も求められます。「編集者は上流工程に関わることが多い」と書きましたが、それは決してライターは編集者の指示に従わなければいけないというわけではなく、ライターも時には編集者に対して意見したり駄目出しをすることで、コンテンツを良いいものにしていくよう努めなくてはなりません。つまり、編集者とライターは相互補完関係にあるといえます。

 

最後に

佐々木氏の言うことは非常に納得なんですが、個人的にはライターにも編集者にも共通して求められている、そして今後益々求められるであろう要素があると思っています。それは「ビジネス感覚」です。例えば編集者の場合、ただ面白い企画、自分がやりたい企画を作るのは難しい世の中になってきています。出版不況がそのことを裏付けているだけでなく、アウトプットが数字として可視化されるwebがどんどん力を強めている以上、編集者は企業の利益に繋がるような企画作り、という視点を持つことが求められてきているような気がします。

それはライターも同じで、ただ原稿料を貰って書いていればいい、というわけではなく、定量的な成果(PVだったりCV数だったり)が求められる機会が今後益々増えるのではないでしょうか。