こっそりメディア論

メディア、広告業界について、「ビジネス」「キャリア」「アカデミック」の3つの視点から考えます

「編集者の仕事、もう辞めたい…」異業種への転職は可能か?

迫り来る締め切り、終わりのない入稿作業、気の遠くなるような構成・校閲作業、、、。周りからは一見華やかにも見える編集者だけど、苦労も多いのが現実ですよね。正直僕も辞めたい、と思ったことがないといえば嘘になります。今回は、実際違う職種に転職しよう思い、少し色々調べたときのこと、編集者から異業種、異職種に転職いした友人の事例を紹介していきます。

 

辞めたいと思う編集者の多くは、業界の先行きに不安を感じている

周りの話を聞いていると、出版業界や新聞といった紙媒体の編集者の多くは、業界の先行きに不安を感じているようです。確かに出版業界は雑誌や書籍の発行部数がどんどん落ちていますし、将来に不安を感じているようです。以下の業界全体の推移を見ると、「辞めたい・・・」と思ってしまうのも無理はないかもしれません。

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編集プロダクションは特に悲惨な状況

特に、業界において、いわゆる「末端」とされる編プロの状況は悲惨なものです。連日の残業、割に合わない給料など、僕の周りからも悪い話はよく聞きます。そのもっとも大きな要因は業界構造にあると僕は考えています。依頼主から代理店、下請け、そして孫請けと何重にも中抜きが存在していることにより、必然的に編プロがもらえる収益はわずかになってしまう。その結果、社員の給与水準も低くなってしまい、「辞めたい」と感じるきっかけに繋がるのです。結婚を期に、もっと高い給料が欲しいといった理由で辞めたいと話す編集者は、僕の周りにも結構います。

編集者ってつぶしが効かないの?

ただ、辞めたいと思っていざ行動を起こそうとしても、「今まで記事書いてばっかの自分に、ほかの職種に転職口とかあるのか、、」こんな不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。でも、実際そんなことはなくて、僕の周りにはほかの職種に転職している人が結構います。必要以上に不安になることはありません。

まずはスキルの棚卸しを

次にやりたいことが決まっている人ならともかく、そうではない方はまず、「スキルの棚卸し」をしましょう。いま自分がどんなスキルを持っているかを把握することによって、どんな職種に適性があるかが変わってきます。

スキルの棚卸しをする際には、転職エージェントが提供している適性検査を受けてみるのが良いでしょう。人材紹介大手のインテリジェンスが提供しているミイダスは、無料で検査が受けられる上、スカウトまで届く便利なサービスです。所用時間も短く簡単なので、一度受けてみてはいかがでしょうか?少しでも興味がある方はこちら!

 

編集者の異業種転職におすすめの職種3つ

スキルの棚卸しができたら、次にいま自分が持っているスキルを活かせる職種にフォーカスして、アプローチをかけましょう。ここでは、実際に僕の周りで、編集者からほかの職種に転職した方の例を紹介します。

広報担当者

まずひとつ目に紹介するのが広報担当者です。近年、企業にとって、顧客との直接的なコミュニケーション、そしてブランディングは、以前よりも重要視される傾向にあります。そんななか編集者は、「言葉のプロ」として、企業が顧客に伝えたいメッセージを整理して、わかりやすく、文脈に沿った形で届けることができるため、重宝される傾向にあります。

オウンドメディア運営担当

加えて、オウンドメディアを運営する企業はこれからもどんどん増えていくため、コンテンツ制作の経験がある編集者は貴重な人材といえるでしょう。

EC担当者

さらに、加えて僕の周りに多いのが、アパレルブランドのEC担当者に転職するケースです。オウンドメディア運営もそうですが、このEC担当は若干編集者的要素(ライティングや校閲作業など)も発生するため、そもそも編集者の業務そのものものが嫌な方は少し考えた方がいいかもしれません。しかし、世の中のEC化率がどんどん進むなか、EC担当もこれから求められる職種のひとつになっていくのではと思っています。

言葉のプロというスキルをフルに活用しよう

と、こんな感じで僕の周りの話をしましたが、これは飽くまで僕の主観でしかないし、編集者を辞めたい、と思っている人全員が広報をやりたいか、というともちろんそんなことはないと思います。なので、辞めたいと思ったら、まずは現状を知るために情報収集をしてみるのがいいかもしれません。

ただ、編集者をやってきたその強み、先ほど書いた「言葉のプロ」としての強みは、どこかで必ず生きるはずです。テクノロジーがいくら発展しても、むしろ発展すればするほど、「エモーショナルに」メッセージを伝える、編集者やコピーライターの仕事は需要が高まるはずです。